運転資金または運転資本はどちらも同じ意味で、英語ではWorking Capitalといいます。
ここでは運転資金を使います。 通常、運転資金というと、「手元に××円の運転資金を準備した」というぐあいにお金の意味で使うことが多いようです。
しかし、貸借対照表やキャッシュフロー計算書(間接法)に関して使うときには、例えば、上記のケース4の場合でいうと、売掛金、商品、買掛金のように、会社が商品を仕入れて販売する、あるいは製造会社の場合であれば原料を仕入れて生産して販売する、という一連の営業循環の中で発生する運転用の資産から、同じく営業循環の中で発生する買掛金のような運転用の負債を差し引いた金額のことをいいます。 会社の営業循環のなかで正味これだけのお金が使われているわけですから、会社を運転していくのに使われている正味資金という意味で運転資金です。
ケース4では,「売掛金64,000円+商品10,000円−買掛金50,000円=24,000円」のお金が運転資金として使われていることになります。 ある時点の運転資金の残高を運転資金残高あるいは単に運転資金といい,ある期間の増加額を増加運転資金といいます。

第2会計年度末における運転資金残高は24,000円です。 前年度末の運転資金残高がゼロでしたから第2会計年度の増加運転資金も「24,000円−0円=24,000円」となります。
運転資金は当然ながら会社の売上が増えればそれにつれて増えていく性格のものです。 増加運転資金という用語を使うと,キャッシュフロー計算書(間接法)の構造は,現預金増減=利益−増加運転資金と表すことができます。
この式はとても重要な式です。 これまで、資産は資金の使途、負債は資金の源泉ということから資産の増は資金の減少要因、負債の増は資金の増加要因であると説明してきました。

この説明でこの式の意味は納得いただけるかも知れませんが、もっとスッキリした説明かほしいという人のために、別の切り口からも説明しておきます。 仮に、収益はすべて即現預金で入金され収益以外の入金はない、そして、費用はすべて即現預金で支払われ費用になるもの以外の支払いはないとします。
仕訳でいえば、「(左側)現預金、(右側)収益」「(左側)費用、(右側)現預金」という仕訳しかない場合です。

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